静寂の夜

ポエム

静寂の夜は突然訪れる。

いつもと変わらない夜。

変わったのは自分の心。

心静かになるとこの世に良いも悪いも無いことを知る。

これは難しく深い思考ではない。

とてもクリアで軽い思考だ。

ライトな感じ。

心の揺さぶりや思考の捉われが皆無だ。

試しに今まで悩んでいたことを思い出してみる。

しかし、全くといって良いほど心静かなまま。

透き通った思考。

美しい感性。

繊細で大胆な感覚。

静寂の夜は全てを癒す。

まるで心臓も止まったかの様。

何も聞こえない。

生きる活力さえ必要ないくらい軽い。

なんだろう。

この感じ。

未来への思考も過去の思考も止まっている。

ただただこの感覚を味わっている。

何かを必要とすることも無く。

何も要らないと思うことも無く。

全てが整っている。

寸分の狂いも無く陰と陽が釣り合っている。

慈しみと愛はやはり違う。

静寂の夜は慈しみで満ちている。

静かでもの寂しく、それでいて美しい。

劣等感、嫌悪感、不安感、恐怖感、全ては心の寂しさから来る。

これからは素直に寂しいと感じよう。

そして寂しさはマイナスの感情ではなく、プラスの感情でもない。

結局は少しの寂しさと慈しみさえあれば良い。

今はそう思う。

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